今回は女性で介護職になろうと思っている方が、介護職になって必ず悩む利用者様からのパワハラについて記事にしています。現在人材不足の介護で離職理由の2番目になっているのが、利用者様からのパワハラです。我慢している女性職員がほとんどで、しょうがなく耐えている方が大勢いるのが現状です。今から介護職で働こうと考えている女性の方に少しでもお役に立てたら嬉しいです。
独身女性25歳事務員から介護の道!手取り20万以上へ
現在、地方では一日8時間月20日以上働いて事務職では手取り13万円が当たり前です。一人暮らしや、旅行、やりたいことなど沢山あるのに、給料は上がらないけど物価の高騰等で月々の生活することができないほどです。
「働いても生活できないと意味がない」と夜勤をしてでも、手取り給料20万円以上が可能な介護職に転職する方も増えています。2024年2月からも国が介護職員と看護補助者の賃金について月額6千円賃上げすると発表したばかりです。
ただ、そういう女性が必ずぶつかり思い悩むのが「利用者様からのパワハラ」です。暴力、暴言など体験したことがないのが普通です。何も知らずに体験すると、恐怖になり利用者様とも会うことが難しくなったり、寝れなくなったり、症状が重い方は鬱病を発症してしまうほどです。
「こんなことがあるんだ」「あるかもしれない」と思っているだけで心の病の対策にもなるのです。私の職場でも以前、利用者様からのパワハラがおきました。独身女性で介護経験がない職員でしたが、3ヶ月で円形脱毛症が5つぐらい頭部に出来てしまいました。
病院にも通いましたが、数か月後退職してしまいました。二度とこのようなことがないようにしたいですね。若い女性職員が元気に笑顔で働ける介護でありたいです。
パワハラはどの種類の介護サービスで起きやすいのか?
介護サービスは大きく2つのグループに分かれます。在宅サービスと施設サービスの2つです。在宅サービスは自宅で生活しながら介護サービスを使用します。施設サービスは利用者様が施設に入所して完全に施設内で生活します。
利用者様の暴言、暴力(パワハラ)が多いのは施設サービス(グループホーム、特別養護老人ホーム介護付き有料老人ホーム)等です。施設サービスの中でも圧倒的に多いのはグループホームです。グループホームに入所できる利用者様は医者から認知症の診断を頂いた方のみです。
認知症の診断のない方は入所できません。暴言、暴力をする利用者様は認知症に罹っている方が多いからです。なぜ在宅サービスは少ないのかというと、在宅で生活されている利用者様は比較的介護度が低いからです。(介護申請を受けると、要支援1~2、介護度1~5、該当なしの3つに分けられます)
在宅サービスでは認知症の重度の方はあまりいません。重度の認知症の方になると在宅での生活は出来なくなります。徘徊や、火の始末、水の出しっぱなしなど、人が生活するのに必要なことが出来なくなるからです。暴言、暴力等が嫌な方や独身女性の方など、不安な方は在宅サービス(ディサービス、訪問介護、小規模多機能など)をおおすすめします。
なぜ認知症の方に多いのか?
認知症の中でも種類があり、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭葉側頭型認知症の4種類が代表的です。その中でもアルツハイマー型認知症の方が特に暴言、暴力が多いです。
アルツハイマー病が進行していくと、アルツハイマー型認知症の中核症状(今の時間や今いる場所が分からなくなる事)が現れます。これに伴い、暴言や暴力、不安、気分の落ち込みなどの行動心理症状なども見られるようになるからです。
不安や、気分の落ち込みがあるから、どうしていいかわからず、イライラしてしまい暴言や暴力になってしまいます。利用者様もわざとしているわけではありません。暴言を吐きたくて、暴力をしたくてしているのではないのです。
利用者様も怒りながら、暴力を振りながら苦しんでいるということだけはわかってください。私も何回も暴言や暴力をされたことがありますが、怒っているのに表情だけは悲しい表情なんです。本当はしたくないんだよって言っているかのように。
どんな暴言、暴力があるのか?
暴言のほとんどが大きな声で怒鳴ることです。性別は関係ありません。男性、女性の利用者様も大きい声で、「バカが~」とか「どっかいけ~」「お前は誰だ~」等昼夜関係なく叫びます。他の利用者様から声がうるさいと苦情がきたりもします。
普通の会話をしている時にどこかにスイッチがあるのかと思うぐらいにいきなり怒鳴りだします。何かを思い出したかのように、会話とは全く無関係な事で怒鳴りだします。以前私が担当していた利用者様は、いきなり戦争の事を思い出し、泣きながら大きな声で怒鳴りだし、杖を振り回してました。
暴力で多いのがひっかいたり、噛みついたり、指でつままれたりです。認知症状で暴力を行っているので、容赦ありません。100%の力で本気でされます。特に介助中にいきなりしてきます。移乗中(ベットから車椅子等へ移動すること)に、脇の肉をつまんだり、顔を近づけると殴られたりします。
女性の職員に多いのが、髪をひっぱられたり、指で引っかいたり、噛みつかれたりします。本当に痛いので声が出るほどです。女性は特に気をつけないといけません。腕や顔を引っかかれて傷跡になったりします。利用者様の爪をしっかり切ることも対策の一つです。
私の体験談ですが、夜勤中に息をしているか確認中(夜勤では全利用者様生存確認します)自分の耳を利用者様の顔に近づけたところ、右フックが顔面に飛んできて眼鏡が壊されました。私が寝ていると思って、普段から暴力をする利用者様に顔を近づけたのが間違いでした。油断は禁物です。
どうやって対策するの?
暴言、暴力が100%無くなることはありません。病気だからです。現在認知症の治療薬や、原因すらわかっていません。どれだけ職員が「辞めてください」と言葉で言っても、精神科に行っても(回数が減る場合はありますが、薬漬け状態になります)なくなりません。ですが、自分を守る為にも対策が必要です。
暴言であれば、感情が高ぶらないように対策します。そろそろ感情が高ぶりそうだなって思ったら、その場をすっと離れましょう。特に若い女性は標的になりやすいですのですぐ逃げてください。そこは男性職員に任せましょう。感情の高ぶりがあった場合はこちらからあまり話しかけないほうがいいです。そっとしておいてあげるのが一番です。常に集団生活ですので、一人になりたい時もあります。
暴力での対策では、ひっかく利用者様であれば、肌を見せない。レッグアームを付けたり、脇をつまむ利用者様であれば職員二人介助でします。暴力を振るう利用者様は二人介助が好ましいです。特に若い女性職員だと力で負けてしまい暴力を防ぐことが出来ません。出来るだけ一人で近づかないのが鉄則です。
私の友人の施設では顔を殴る利用者様対策で、空手の面を付けて介助する施設もあります。白衣を着て、叩かれないように介助する施設もあります。不思議と白衣を着ていると暴力は振るわれません。白衣=病院の先生と利用者様も認識しているんです。その施設、施設で利用者様に合った対策をすることが大事ではないでしょうか。利用者様、職員、両者とも嫌な思いをしなくて済みます。
介護職での対策だけではどうにもならない場合もあります。そういう場合は上司への相談です。相談員や施設長がご家族と話をしたり、専門医の受診を行ったり、最終手段としては施設退所もあります。どうしても介護施設では生活できない無理なケースもあります。
まとめ
今回は利用者様のパワハラについて書きました。暴力や暴言など、ないほうがいいのです。利用者様、介護職みんなが不幸になります。本当に痛くされたり、嫌の事を言われると、自分たちも人間です。感情があります。イラっとするときもあるでしょう。
ですが絶対、介護士もイライラの感情に身を任せて暴言、暴力を振るってはいけません。自分が暴言、暴力をしてしまいそうと思ったら、すぐにその場を離れましょう。深呼吸をしたり、タバコを吸ったり、お茶を飲んだり逃げることも必要です。
暴言、暴力を介護士がした場合は高齢者虐待となり、解雇や利用者様のご家族や施設側が被害届を提出した場合は刑事事件となり、逮捕の可能性もあるからです。介護士で働いた以上は、資格があっても、なくても、働いた年数が数か月でもプロです。自分の身は自分で守る意識も必要です。
特に若い女性は利用者様のパワハラでトラウマや鬱病などなりやすいです。介護経験がない女性職員は特に多い傾向にあります。周りから助けてもらうことも必要です。入職時の面接やオリエンテーション時に利用者様からパワハラを受けた場合の対応を事前に聞いておくとよいでしょう。
コメント